親の介護が突然始まったら?40代から知っておくべき介護の知識

生活

突然の「親の介護」…まず何から始めればいい?

「お母さん、なんだか最近、同じ話ばかりするな…」「お父さん、一人でお風呂入れてるのかな?」
そんな風に感じる瞬間が増えてきたあなたへ。

40代になると、両親が70代・80代を迎え、「介護」が他人事ではなくなってきます。
ある日突然、親が入院し、退院と同時に介護が始まる――そんなケースも少なくありません。

でも、いざ「親の介護」となっても、何から始めればいいのか分からない…という人がほとんどです。
仕事、子育て、自分の将来もある中で、正しい知識と制度の理解があるかどうかで、家族の負担は大きく変わります。

この記事では、**親の介護が必要になったときに最初にすべきこと「要介護認定の申請」**について、
「市役所で何をする?」「費用はどれくらい?」「どんなサービスが使える?」など、基礎から丁寧に解説します。親が転倒した、入院した、物忘れが急に目立ってきた――そんなときに、まず知っておいてほしいのが「要介護認定の申請」です。

これは、親が介護保険サービスを利用するための入口となる手続きです。

親の様子が変わったときの初動チェックポイント

以下のような変化が見られたら、介護の準備を始める合図かもしれません。

  • 同じ話を何度も繰り返す
  • ご飯を食べたことを忘れる
  • トイレの失敗が増えている
  • 以前できていた家事が面倒になってきた
  • お風呂に入らなくなった
  • 退院後の生活ができるのか

これらは「日常生活に支援が必要なサイン」。本格的な介護が始まる前に、行政のサポートを受ける準備を進めましょう。

要介護認定の申請と流れ【自治体でできる】

● 要介護認定とは?

要介護認定とは、「この方にはどれくらいの介護が必要か」を公的に判断し、介護保険サービスを利用できるようにするための認定制度です。

これは市区町村(自治体)が担当窓口となり、誰でも申請できます。40代の私たちが親の介護に直面したとき、最初のステップとなるのがこの認定です。

● 申請はどこでできる?窓口と相談先

相談・申請先内容
市区町村の介護保険課申請書の受付窓口(役所)
地域包括支援センター介護に関する相談全般が可能。申請の代行もOK
居宅介護支援事業所要介護認定済の人は、ここでケアプランを作成

💡ポイント:地域包括支援センターは、介護の「困った」を何でも相談できる心強い存在。無料でアドバイスや申請サポートをしてくれるので、何から始めればいいか分からない方はまずここへ。

● 要介護認定の流れ(ステップ形式)

【STEP1】申請書を提出(役所または包括支援センター)

提出に必要なもの:

  • 介護保険被保険者証(親のもの)
  • 申請書(役所またはネットから入手可能)
  • 印鑑
  • 本人確認書類(マイナンバーカード・保険証など)

家族が代行して提出できます。窓口で「親に介護が必要になりそうで…」と伝えれば、丁寧に案内してもらえます。

【STEP2】訪問調査(認定調査員が自宅へ来る)

申請後、自治体の委託を受けた認定調査員(市役所職員やケアマネージャーなど)が自宅に訪問します。

調査内容:

  • 食事・入浴・排泄・移動などの自立度
  • 認知機能(記憶・判断)
  • 生活全般の支障
  • 家族の介護状況

👀 ここが大事:本人が「大丈夫です」と言いがちですが、実態を正しく伝えることが重要。普段のようすや困っている点を、家族がきちんと補足しましょう。

【STEP3】主治医意見書の作成(医師が診断)

自治体から依頼を受けたかかりつけ医が、病状や日常生活の様子について意見書を作成します。

医師の診断内容も、介護度に大きく影響します。通院しているクリニックや病院に「介護認定の意見書をお願いしたい」と伝えましょう。

【STEP4】介護認定審査会で判定

認定調査と主治医の意見書をもとに、介護認定審査会(医師・看護師・福祉専門職などで構成)が審査します。

判定結果は、要支援1~2、要介護1~5の7段階。状況に応じて、「非該当(=介護保険使えない)」と判断される場合もあります。

【STEP5】認定結果の通知(約30日以内に届く)

申請から約30日後、自治体から結果通知が届きます。

通知内容:

  • 要介護度
  • 有効期間(基本は6か月〜1年)
  • サービス利用に必要な保険者番号 など

● 要介護認定の有効期限と更新

初めての認定は原則6ヶ月が有効期限。その後、継続して介護が必要な場合は更新申請が必要です(期限の60日前から可能)。

● 「要介護認定」が出たらできること

認定を受けたら、以下のようなサービスが介護保険で利用可能になります(一部)。

  • 訪問介護(ヘルパー)
  • 通所介護(デイサービス)
  • 訪問入浴、訪問看護
  • 福祉用具レンタル(手すり、歩行器など)
  • ショートステイ
  • グループホーム・特養などの入居申し込み

費用は、サービス利用料の1〜3割負担(収入に応じて)です。

● こんな人は早めに申請を!

  • 最近、親が物忘れや転倒を繰り返す
  • 同居家族の負担が増えてきた
  • 在宅介護が不安になってきた
  • 一人暮らしの親が心配

【まとめ】親が元気なうちに知っておきたい

介護はある日突然やってくる。
でも、知識があれば「いざという時」に慌てません。

  • 市区町村で「要介護認定の申請」ができる
  • 地域包括支援センターは無料で相談OK
  • 申請〜認定まで1ヶ月かかるので、早めに動くのが大切
  • 家族が代理で手続きできるので、離れて暮らしていても対応可能です