介護保険制度・支給限度額とは
「親が要介護認定を受けたけど、どうやって介護サービスを利用すればいいのかわからない」
親の介護が現実的な課題になったとき、多くの人が最初に直面するのがこの疑問です。特に40代の方にとって、子育てや仕事と両立しながらの「親の介護」は大きなストレスになりがちです。
そんな中、頼れるのが介護保険制度。でも、「どこに相談すればいいの?」「サービスってどう選ぶの?」「支給限度額って何?」と不安や疑問が多いのも当然です。
本記事では、要介護認定を受けたあとにやるべきこと、親に合ったサービスの選び方、そして支給限度額や費用の仕組みまで、初めての方にもわかりやすく丁寧に解説します。
◆1. 要介護認定後にまずやるべきこととは?
■地域包括支援センターに相談を
まずは、親が住んでいる地域の地域包括支援センターまたは市区町村の介護保険担当窓口に相談しましょう。ここでは、ケアマネジャー(介護支援専門員)の紹介を受けることができます。
■ケアマネジャーの役割
ケアマネジャーは、要介護者の状況に応じて「どんな介護サービスを使うべきか」を一緒に考え、具体的なケアプラン(介護計画)を作成してくれます。
■手続きの流れ
- 要介護認定の通知書を受け取る
- 地域包括支援センターまたは居宅介護支援事業所に連絡
- ケアマネジャーを選び、契約
- ケアプランを作成
- 介護サービスの利用開始
ケアマネジャーへの相談・ケアプラン作成は無料です。
◆2. 利用できる介護サービスの種類とは?
介護保険では、本人の状態に応じて様々なサービスを利用できます。要支援・要介護の区分によっても利用できる内容が異なります。
■主なサービスの例
サービス名 | 内容 | 対象 |
---|---|---|
訪問介護(ホームヘルプ) | 自宅での掃除・調理・排せつなどの支援 | 要支援1〜要介護5 |
訪問入浴介護 | 入浴設備のない家庭での入浴介助 | 要介護1〜5 |
デイサービス(通所介護) | 入浴・機能訓練・レクリエーション等 | 要支援1〜要介護5 |
ショートステイ | 短期間の宿泊と介護サービス | 要支援1〜要介護5 |
訪問看護 | 看護師が自宅を訪問し医療ケア | 要介護1〜要介護5 |
福祉用具貸与 | 介護ベッド・手すりなどのレンタル | 条件により利用可能 |
◆3. 支給限度額のしくみを理解しよう
■支給限度額とは?
要介護度ごとに、介護保険でカバーされる月額の上限が決まっています。その範囲内であれば1〜3割の自己負担でサービスを利用できます。
■支給限度額の目安(2025年時点)
要介護度 | 支給限度額(目安) | 自己負担(1割) |
---|---|---|
要支援1 | 約5万円 | 約5,000円 |
要支援2 | 約10万円 | 約1万円 |
要介護1 | 約17万円 | 約1万7,000円 |
要介護3 | 約27万円 | 約2万7,000円 |
要介護5 | 約36万円 | 約3万6,000円 |
■注意ポイント
- 限度額はサービス合計に適用されます
- 限度を超えた分は全額自己負担
- 医療費とは別に考える必要があります
◆4. 親に合ったサービスの選び方
■本人の性格・状態に合わせて
- 社交的なら…デイサービスがおすすめ
- 静かに過ごしたいなら…訪問介護中心
■家族のライフスタイルも考慮
- 共働きで日中不在 → デイサービスやショートステイ
- 近くに住んでいる家族が対応できる → 訪問介護中心に調整
■ケアマネジャーと連携して選ぶ
サービスを決める前に施設の見学・体験も可能な場合があります。納得できるまで比較検討しましょう。
◆まとめ:迷ったらまず相談を
介護は突然始まりますが、最初は誰もが戸惑うものです。地域包括支援センターやケアマネジャーに相談しながら、一歩ずつ準備していきましょう。
支給限度額を理解し、無理のない介護を組み立てることで、親も家族も安心できる日々を過ごすことができます。